スカラー(scalar)計算機について

プログラムを並列計算をさせるためには,スカラー型計算機のフロントエンド(scalar)にログインしてコンパイル,実行する必要があります.演習室内と外部からで手順が異なります.両方出来るように準備しておきましょう.

  • ホスト名:scalar.scitec.kobe-u.ac.jp
  • 演習室のシステム構成図 filescalar.pdf

演習室端末からscalarへのログイン

演習室の端末からscalar(スカラー型計算機のフロントエンド)にログインするには,sshまたはslogin コマンドを使用する.パスワードは必要ない.

$ ssh scalar

または

$ slogin scalar

でログインできる.

演習室外からscalarへのログイン

研究室や自宅からscalarにログインするには,RSA公開鍵認証 が必要となる.

ここでは,演習室端末にて暗号鍵(公開鍵と秘密鍵のペア)を作り,公開鍵をホームディレクトリに,秘密鍵をUSBメモリなどで演習室外で使用するマシンへコピーする方法を説明する.

I. 公開鍵の作成手順

  1. 演習室端末にログインし,次のコマンドを入力する.
    $ ssh-keygen -t rsa
  2. 次のメッセージが出たら,そのままEnterを押す.
    Generating public/private rsa key pair.
    Enter file in which to save the key (/home/users/ユーザ名/.ssh/id_rsa):
  3. パスフレーズを2回きかれるので,同一のものを入力する.
    Enter passphrase (empty for no passphrase): (入力)
    Enter same passphrase again: (入力)
    Your identification has been saved in /home/users/ユーザ名/.ssh/id_rsa.
    Your public key has been saved in /home/users/ユーザ名/.ssh/id_rsa.pub.
    The key fingerprint is:
    ab:fa:de:32:48:.......   ユーザ名@xxx
  4. 公開鍵と秘密鍵が次のディレクトリに出来る.
    秘密鍵: $HOME/.ssh/id_rsa
    公開鍵: $HOME/.ssh/id_rsa.pub
  5. 次のコマンドで,公開鍵を認証済みの鍵(authorized_keys)にリネームし,パーミッションを600(自分のみ読み書き可能)にする.
    $ cd ~/.ssh
    $ mv id_rsa.pub authorized_keys
    $ chmod 600 authorized_keys
  6. 秘密鍵(~/.ssh/id_rsa)をUSBメモリ等にコピーして持って帰る.セキュリティ上,元の場所には残さないこと(~/.ssh/id_rsaは消すこと).

II. 外部からのログイン

自宅等の演習室外部で作業するためには,scalarへのリモートログインが必要になる.また,自宅等でプログラムを作成し,それをscalarでコンパイル,実行するためには,ファイルをscalarにコピーする必要がある.UNIX系とWindowsでこれらを行う方法をまとめる.

UNIX系

ターミナルを開き,持って帰った秘密鍵(id_rsa)を用いてscalar.scitec.kobe-u.ac.jpにsshログインする.

$ ssh -i /適当なパス名/id_rsa ユーザ名@scalar.scitec.kobe-u.ac.jp  
パスフレーズ入力...

ファイルのコピーには,scp を使う.

$ scp -i /適当なパス名/id_rsa コピーしたいファイル ユーザ名@scalar.scitec.kobe-u.ac.jp:適当なパス名

Windows

ウィンドウズの場合には,Tera Termを使ってログインするのが便利(Tera Termのダウンロード)

Tera Termをインストールし,新しい接続(new connection)として,下記の情報を指定する.

  • ホスト名: scalar.scitec.kobe-u.ac.jp
  • Use RSA/DSA Key to login: 持って帰った秘密鍵(id_rsa)

WinSCPによるファイルコピー

ファイルのコピーには,WinSCPが便利(WinSCPのダウンロード).WinSCPをインストールし,新しいセッション(new session)として,下記の情報を指定する.

  • ホスト名: scalar.scitec.kobe-u.ac.jp
  • ユーザ名: scalar上の自分のユーザ名
  • プライベートキーファイル: 上で作った秘密鍵を指定したいところだが,そのままではフォーマットが異なるため使えない.フォーマットを変換する方法は下記.
  • プロトコル: SCPを選ぶ.

これでセッション情報を保存しておけば,次回からはワンクリックでWindowsエクスプローラーのような画面が開き,ファイルのコピーをGUIで行える.

WinSCPを使うための秘密鍵のフォーマット変換方法

次の手順で行う.

  1. このリンクから「puttygen.exe」をダウンロードし,実行する.
  2. Putty Key Generation のウィンドウが開くので,メニューの「Conversions」->「Import key」を選ぶ.
  3. ファイル選択のダイアログが開くので,scalar上で作った秘密鍵を選ぶ.
  4. 秘密鍵を読み込んだら,フォーマットを変換して保存するために「Save private key」というボタンをクリックする.
  5. 保存先,ファイル名を適当に指定し,保存する.ファイル名には「.ppk」という拡張子を付ける.puttygenはこれで終了して良い.

この結果出来上がった「○○○.ppk」という秘密鍵を,上記のWinSCPのセッション情報のプライベートキーファイルとして指定する.

Windowsに関する参考資料 filewindows.pdf