現在作成中です。
既に書いている内容も大幅に変わる可能性が高いです。
as of 2010-04-28 (222)
担当教員 †
陰山 聡
演習日 †
概要と達成目標 †
- 概要
- why f? (なぜFortran95言語か)
- f && c (Fotran95とCの同じところ)
- [演習]Hello, world. コンパイルと実行
- diff f c (Fotran95とCの違うところ)
- wonderful f (Fotran95の素晴らしいところ)
- practical f (Fotran95によるコーディングの実際)
- 目標
- この「計算科学演習I」で扱うFotranソースコードが自由に読めること。
- 2次元拡散方程式を解くコードをFotran95言語の特性を活かして書けるようになること。
はじめに †
- Emacsのmajorモードをf90に設定すると便利(f95モードではなく)
- ミニバッファでf90-modeと打つ (Esc-x f90-mode)
- scalar上でのコンパイルコマンドは pgf95 またはpgf90
はじめに †
- FORTRAN(全部大文字の)という言語は存在しない。
- Fortran90やFortran95という言語ならある。
- FORTRAN66。
- FORTRAN77
- 1977年に標準化。
- if/then/else
- 広まった
- Fortran90
- Fortran95
Fortran90はFORTRAN77とは大きく違う。違う言語と考えるべき。
| f95 - f90 | << | f90 - f77 |
why f90/f95? †
- 計算速度が速い
- スーパーコンピュータは速さが命
- C/C++でもFortranと同じくらい速いコードは書けるが、遅いコードも書けてしまう。
- 言語としての自由度の違い。自由度が高いとコンパイラが困る。最適化ができなくなる。
- 便利
- 道具(言語)は目的にあったものを
- 数学的計算にはFortran90/Fotran95が適している
- 数値計算ライブラリの抱負な蓄積。Legacyなコード。財産。
Fortranが推奨される間違った理由 †
『新しい言語を勉強するのは面倒だ。
FORTRAN77の何の不足もない。これでxx年やってきた。』
・・・Legacyな人間。時代に2010-1977=33年遅れている。
Fortran90/95に対する偏見 †
- 変数名は6文字までなんでしょう?・・・そんなことはありません。
- ソースコードは全部大文字なんでしょう?・・・そんなことはありません。
- ソースコードは固定形式(7列目から72列目まで)なんでしょう?・・・そんなことはありません。
- 構造体がないんでしょう?・・・あります。普通に使います。
- ポインタがないんでしょう?・・・あります。あまり使う必要はありませんが。
- 関数とデータをまとめてひとかたまりにする(クラス化する)ことなんてできないんでしょう?・・・できます。普通にやっています。
- データ/関数の隠蔽(カプセル化)ができないんでしょう?・・・できます。いつもしています。
- 演算子を自分で定義することができなんでしょう?・・・できます。いつもしています。
- 関数や演算子の多重定義ができなんでしょう?・・・できます。いつもしています。
Fortran90/95は現代のプログラミング言語である。 †
- スーパーコンピュータ向けの言語としては最先端
- 特に並列計算機には
- 数値演算や計算機シミュレーションには最適な言語
まだ納得できないない?では例を一つ †
部屋の中の温度場の分布から平均気温を求めよう。
温度場を3次元float配列 f(nx,ny,nz)で表す。3つの整数nx, ny, nzは不定。
平均気温=全ての格子点(i,j,k)上でのfの値を足して格子点の総数で割る
【演習】 †
任意サイズの3次元単精度実数(浮動小数点数)配列を受け取り、
その平均値を返す関数をC言語(またはC++言語)で作れ。
Fortran90/95ではこう書ける。 †
わずか4行。
real function mean_value(f)
real, dimension(:,:,:) :: f
mean_value = sum(f) / (size(f,1)*size(f,2)*size(f,3))
end function mean_value
数式の表現が簡単な例 †
$e^{i\pi} = -1$
つまり
をFortran95で書くと、
complex :: i = (0.0,1.0)
real :: pi = 3.141593
print *,' exp(i*pi) = ', exp(i*pi)
級数
の最初の有限数項までの値を求めるプログラムも、式をそのまま書けばいい。Formula Translation。
integer, parameter :: nterms = 1000
real, dimension(nterms) :: x, y, z
integer :: i
do i = 1 , nterms
x(i) = 1.0 / i
y(i) = 1.0 / (i+1)
z(i) = 1.0 / (i+2)
end do
print *,'ans = ', sum(x*y*z)
空間中に分布する磁場(3成分のベクトル場)
Bx(100,100,100), By(100,100,100), Bz(100,100,100)
の全磁気エネルギーは、
energy = sum(Bx**2+By**2+Bz**2)/2
と一行(定義式そのもの)を書けば良い。